寒さ対策を!!

 

 

冬の到来を感じさせる、急な寒さを感じます。

日常の生活においてももちろん衣服などの対策を打っていただければと思いますが。

 

医療の立場で少し耳に入れてもらいたい、頭の片隅に置いてもらいたいお話!

 

 

冬の季節になると

 

「ヒートショックに気を付けて!」

「低体温症に気を付けて」

 

といったニュースを耳にされると思いますが。

 

ニュースに上げられるように、冬の時期の救急車の要請理由には、

 

高齢独居の患者様が低体温症で救急搬送

暖房器具等で喉が炎症し食事中の誤嚥窒息で救急搬送

風呂から出てこずショック症状や溺水により救急搬送

 

といった重症度の高い搬送が多くなる季節です。

 

 

「ヒートショック。こわいなぁ。。気をつけようね!」

→何に気を付ける?を少しかみ砕いてお話させていただきます。

 

 

 

人の身体は気温が下がると体温調節を図るため、身体を強張らせる(筋肉が緊張している)体勢を知らずのうちに取っています。

冬の季節の外出が普段の外出よりも疲れたと感じる、といった方も多いはずです。

寒い場所と暖かい場所の出入りで全身の筋肉が緊張と弛緩を繰り返したり、心拍数が早くなったり。

 

 

機械や画像で測定している訳ではないので、自分では分からないところで、知らずのうちに全身を使って体温調節をしています。

 

 

では、何に気を付けたらいいの?を少し考えてみましょう!

自分自身もそうですが、周りの方に対しても一度チェックしてみましょう!

 

①「最近動きづらくなったなぁ。」「最近あまり動いていないなぁ。」

ちょっと待って!!!

 

ここで1つ!

身動きが取りづらくなった、足腰が弱くなった、といった以前よりも運動やADL(日常動作)が低下している人は注意です。

体温調節の一つに、筋肉の伸縮運動により燃焼作用を生み出しています。

卵が先かニワトリが先か、の話にもなってしまいますが、結果として「以前よりも動かない」=「以前よりも筋肉量が低下している」に繋がるのはお分かりいただけるかと思います。

つまり、外気温などの環境因子で体温が下がった際、筋肉量に比例して恒温しやすくなるため、こういった方はエネルギーを生み出しづらく、体温を保ちづらいことが見えてきますね。(ちなみに脂肪は生み出して熱量を保温するはたらきです。)

 

なので、そういった方の事前対策としては、暖房器具を日が落ちる前にタイマーしたり、肌着を防寒性の高いものを着るなど、体温が下がれば防げないからこそ、体温が下がらないようにする取り組みが必要になりますね!

 

 

②身の周りに会話やコミュニケーションが減った、認知症を感じるな。といった方はおられますか?

 

 

時期に関わらず、高齢者は嚥下運動(物を飲み込む力)が低下しています。

嚥下運動(物を飲み込む力)は、食事だけでなく話すことや表情を変化させることで、連動する筋肉の刺激により低下を防ぐことが出来る。

 

暖房器具の使用により、室内が乾燥し、喉が炎症しやすくなります。

炎症した喉を食べ物や飲み物が通過する訳なので咽やすい状態となりますね。

 

こういった状態で更に嚥下運動が低下している方は、窒息や誤嚥を引き起こしやすくなってしまいます。

 

私たちはコロナ禍で患者様の背景を見ていると、隔離された入院生活によりADL(日常動作)の低下を感じられました。

 

普段の日常なら家族や周りの人たちを話したり笑ったりする機会があるのにも関わらず、入院生活で隔離、家族や周りの人との面会が拒絶され、御一人での時間が長くなり、五感が刺激されず脳への刺激や命令系統が機能せずだんだんと認知症のような症状が出てきた気がする。といったお話を家族様から聞かせていただきました。

 

つまり、五感から入る情報を脳が処理し、身体への命令信号を送る、といった一連の伝達が行われなくなると、身体はそれに順応するようになってしまい、周りから見ると認知症のような症状が見えてしまう。というアルゴリズムです。

 

少し難しい内容かもしれませんが、日常の中でお話や表情の変化が全て脳への刺激となっている訳です!

そういった生活を意識づけて行くことで、嚥下運動ももちろんADL(日常動作)の低下を防ぐことが出来ます。

 

 

あとは、ニュースで良く耳にする内容ですね。

入浴の前には、浴室を暖めることや身体をほぐす習慣が大切になります。

先ほど述べたように、寒さで身体が強張っている状態で入浴すると、全身の筋肉、血管が急激に弛緩するため血圧低下も急激となり、全身に必要な酸素や血液量を補おうとするも血圧低下が急激に起こっているため、酸素や血液量が追いつかずショック状態に陥ってしまうのがヒートショックです。

 

運動の前に準備運動をするのもニュアンス的に同じ原理ですね。

固まった筋や腱に対して全速力で走ると、身体に急激なエネルギーがかかりケガに繋がりやすいです。

 

 

このような症状、症例が多くある中で、気を付けることを気を付けていく試み(第一歩)が大切になります!

是非とも周りの方にも気を掛けたり助け合っていきましょう!!

 

 

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